一般社団法人 宮大工養成塾

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失敗を経験とできるか

2020.11.02

イラストにあるように大切な植木鉢を壊してしまったとします。さて、あなたならどのように対応しますか?

  1. 黙っていればばれないので、知らないふりをする
  2. 正直に謝って、誠意を尽くす

「黙っていれば・・・」を選んだあなたは

黙っていれば、誰がやったのかはわかりません。ただし、被害を受けた人は、悲しみます。知っているのは、あなただけ。あなたがやった事は、神様が見ています。宮大工は、神様のお住まいを作る仕事になります。神様は、そんな人に作ってほしいと思うでしょうか?おそらく、思わないと思います。人は、失敗します。失敗を嘘や偽りで隠せたとしても、その嘘を正当化するために、更に嘘をつくことになります。嘘を嘘で塗り固めて、自分でも何が嘘で何が本当なのかがわからなくなります。そして、人間は、そこまで頭が良くありません。必ず、どこかでその嘘が発覚して、すべてが地に落ちます。そうすれば、周囲からの信頼をすべて失い、何もできなくなってしまいます。これは、物事を失敗した上に、人としても失敗した事になり、良い状態じゃないのは、誰でも理解できると思います。

「正直に謝って、誠意を尽くす」を選んだあなたは

人は、失敗をします。そしてその責任が、自分にあると素直に受け入れる事が成功へのプロセスです。それができたあなたは、素晴らしい事です。失敗した事実は変わりませんが、その後の対応で、「この人は、嘘をつかない。信用できる」と素直であるという事は、信頼を得る事になります。人は、自分に弱いです。何かが起きた時に、人のせいにしたり、知らないふりをしたりと、逃げたくなるものです。己に克つ事ができる素直さをもっている人だけが、「失敗を経験」とする事ができます。

素直が呼び込み強運の法則がある

素直であるという事は、人の信頼を得る事につながります。信頼は、その人にチャンスという運を運んできてくれます。素直であればあるほど、運が集まり、やがては、強運になるという事は、脳科学的に証明されています。

格好悪くても良い。泥臭くても良い。素直に生きる事が、あなたを成功させてくれる人の道なのです。

職人の下積みの時のあるある

いきなり大きな仕事はやってきません。任せられた日々の小さな仕事を確実にやっていくことが成功へとつながります。小さな成功から、責任感と信頼の度合いで、徐々に大きな仕事を任せられていきます。大工仕事の刻みは、人間の手で行います。伝統工具を使うこともありますが、墨通りに刻む能力が必要になります。ちょっとしかウッカリなどで失敗をしてしまう事がありますが、「失敗したのがバレたら恥ずかしい、次の仕事がこないかも」と思ってしまい、隠そうとします。親方や先輩の職人さんは、空気感や音などでうまくいっているか、何かヘマをしていないか?を察知しているので、絶対にバレてしまいます。となると、信頼は低下します。責任感があるのであれば、失敗をしたときに、正直に謝りに行き、素直になる事です。当然、怒られるのは間違いありませんが、その後の行動によって、信頼を取り戻すことができます。「あいつは失敗したけど、正直にいいよった。失敗しないように夜の刃物研ぎなどの努力もしてるし、またチャンスをあげるか」という感じで、見守ってくれています。

反射的に嘘をついてしまった><

なるだけ早く、嘘をついた事を打ち明けましょう。それが信頼回復への最上の方法です。それがわかれば、がんばって修行に打ち込むべし。